ごあいさつ
渡嘉敷一史
琉球真珠株式会社 代表取締役社長
琉球真珠株式会社は1951年(昭和26年)、戦後混沌とした頃の沖縄、主たる産業がなかった時代に石垣島川平湾で創業しました。戦後アメリカ統治下の沖縄において、生活物資が乏しく養殖を行うための情報も少ない時代にスタートした事業は困難をきわめました。世界で初めて黒蝶真珠養殖に成功するまでには、18年の長くて辛い年月をついやしました。
アコヤ真珠は、1900年代初頭に真円真珠の養殖に成功していました。黒蝶真珠養殖は、それからさらに60年以上も経過してやっと成功した事業なのです。
琉球真珠株式会社の前身である琉陽真珠海綿養殖株式会社が、黒蝶真珠養殖の成功を夢みて、石垣島川平湾で真珠養殖業に着手した頃は、当社を含めて沖縄県下9か所で試験養殖場がスタートしています。
しかし、真珠の養殖には時間がかかります。核入れ手術を施してから2年後に、はじめて結果を知ることができるのです。母貝を育てることから始め、真珠ができあがるまでには5年から6年も経過します。
真珠ができあがるまでのサイクルは長く、黒蝶真珠の大量生産に成功するまでには長い年月が経過しました。
クロチョウガイは、内湾ではなく流れの速い外海に好んで生息するため、卵を集めることも難しく、貝を人工的に孵化させることが黒蝶真珠養殖の課題でした。また、貝の害虫ポリキータとの戦いも長くて辛いものでした。
世界で初めて黒蝶真珠の量産化に成功した1970年(昭和45年)には、琉球真珠の川平湾養殖場を除く全ての黒蝶真珠養殖場が沖縄から消えていました。クロチョウガイは、すでに真珠養殖に成功していたアコヤガイとは大きな違いがあり、多くの人を60年間も悩ませ続けたのです。
貝の体内で真珠をつくるためには、真珠質を分泌する細胞を貝より切り取り、その細胞と一緒に、真珠の芯になる貝殻製の丸い核を生殖巣へ移植手術します。移植した細胞が成長して核を包み込み、核の周りへ真珠層を形成していきます。細胞と核は手術後、密着した状態が続かないと丸い真珠をつくることはできません。クロチョウガイの場合はアコヤガイとは違い、貝の体内に水分が多く、手術後に細胞がはがれてしまう点が課題でした。
当時の養殖場長だった渡嘉敷進はある日、海の養殖業とは畑違いの酪農家からきいた話をもとに成功のキッカケを見つけます。牛の人工授精時の強制脱水状態をヒントに、世界で初めて黒蝶真珠の量産化に成功したのです。
戦後の何もなかった時代に養殖事業を開始し、小さな島の川平湾で成功したのです。当時の新聞や雑誌は、何度も「奇跡だ!」と賞賛しました。
沖縄宮古島で試験養殖が1912年(大正元年)に始まり、半世紀以上も多くの人を悩ませ続けた黒蝶真珠養殖は、今日では観光客に評判の石垣牛に技術開発のヒントがありました。
その後、1971年(昭和46年)にはクロチョウガイの人工採苗に世界で初めて成功、1980年(昭和55年)からは西表島の船浮養殖場でクロチョウガイの計画的な量産体制に入ります。1984年(昭和59年)には、日本に生息していなかったシロチョウガイの人工採苗に成功、現在は、珠サイズが大きくゴールドとホワイトの2色の珠がとれる白蝶真珠を養殖生産しています。
石垣島の川平湾はミシュラン・グリーンガイドで三つ星に選ばれています。三つ星は「近くに寄ったときは予定を変更してでも見るべき場所」とのことです。エメラルドグリーンの海がひときわ美しい川平湾だからこそ、神秘の輝きを放つ美しい黒蝶真珠が世界で初めて誕生することになったのでしょう。
沖縄石垣島へお越しの際には、ぜひ当社の川平本店へお立ち寄りになり、「沖縄の海人(うみんちゅ)がけっして諦めずに精魂込めてつくりだした真珠」をご覧ください。
本店併設のアールズ・カフェは、海から5mという絶好のロケーションに立地し、黒蝶真珠と白蝶真珠を育む自然豊かな川平湾を一望することができます。
南ぬ島(ぱいぬしま)石垣空港は、羽田、大阪、名古屋、福岡、那覇への直接アクセスはもちろん、那覇より近い200kmの距離で台北と直結した国際空港です。とても便利に生まれ変わった南ぬ島石垣空港から当社川平本店までは、車で35分ほどの距離です。
皆様のご来店を心よりお待ちしております。
会社概要
社名 | 琉球真珠株式会社 |
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設立 | 1951年(昭和26年)11月19日 |
資本金 | 5,750万円 |
役員 | 代表取締役社長 渡嘉敷一史 取締役 根間萌子 監査役 仲野英則 |
従業員数 | 23名(2023年10月1日現在) |
事業内容 | ■真珠の養殖・販売 ■飲食店の経営 |
本社、川平養殖場 | 〒907-0453 沖縄県石垣市川平934 電話番号 0980-88-2288(代表) |
西表養殖場 | 〒907-1542 沖縄県竹富町西表2480 電話番号 0980-85-6168 |
店舗 | 川平本店、石垣店、石垣空港店、アールズ・カフェ |
沿革
1951年(昭和26年) | 球陽真珠海綿養殖株式会社として創立 |
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1963年(昭和38年) | 琉球真珠株式会社に社名変更 |
1970年(昭和45年) | 黒蝶真珠の量産化に世界で初めて成功 |
1971年(昭和46年) | 県水産試験場との共同研究でクロチョウガイの人工採苗に成功 |
1974年(昭和49年) | 西表島船浮養殖場を開設 |
1975年(昭和50年) | 琉球黒真珠センター(現川平本店)オープン |
1979年(昭和54年) | 石垣店オープン |
1984年(昭和59年) | シロチョウガイの人工採苗に成功 |
1987年(昭和62年) | 西表島外離養殖場を開設 |
1991年(平成3年) | 白蝶真珠の試験養殖浜揚げに成功 |
1992年(平成4年) | 西表島船浮養殖場の人工採苗棟完成 |
2013年(平成25年) | 石垣空港店オープン |